本革と合皮の違いとメリット・デメリットなどを解説

なんとなく、「本革は品質が良いけれど値段が高く、合皮は品質は良くないけれど安いかな?」程度の知識で
詳しくはよくわからないという人がほとんどではないでしょうか。

そもそも本革合皮の違いとは何か?
ここでは具体的に本革と合皮について詳しく解説していきますので、実際のご購入の際の参考にしてみてください。

本革とは


本革と合皮の違いとメリット・デメリットなどを解説

本革」とは動物の皮をなめした革の総称として使われています。

一般的には牛や豚、羊などの家畜から得られる皮が使用されますが、その他の動物の皮も利用されることがあります。

本革は天然素材であり、その特徴的な風合いや耐久性、柔軟性から、さまざまな用途に広く利用されています。
英語では「real leather」や「genuine leather」と呼ばれています。

合皮とは


本革と合皮の違いとメリット・デメリットなどを解説

合皮」とは合成皮革の略称で、動物の皮が原料に一切使われていない人工素材です。

ベースとなる布地の上に、合成樹脂を塗ることで、天然の革のような質感を再現したものです。

表面には、天然皮革に似せたシワや模様を人工的に作り出しています。
英語では「fake leather」「Synthetic leather」と呼ばれています。

本革のメリットとデメリット


メリット

・高級感がある
天然素材なので、独特の匂いや風合い、重厚感があります。

・経年変化(エイジング)が楽しめる
使い込むほどに馴染み、色や艶、形が味わい深く変わっていくため、飽きることなく長く愛用ができます。
本革の経年変化によって現れる革の表情は使い方によって変わっていくため、世界でひとつだけのオリジナルのレザーアイテムを育てることができます。

・耐久性が高い
繊維が密に絡み合っているため、摩擦や衝撃に強く、破れにくくなっています。
寿命は一般的に5〜10年と言われていますが、丁寧に使えば10年、20年と長く愛用ができます

・通気性が高い
革の繊維が空気を通すことによって、蒸れにくく湿気が溜まりにくいという特徴があります。

デメリット

・高価
本革とは、動物の皮をなめして革にしたものなので、そもそもの素材確保の値段に加え、なめし加工等にかかる手間代がかかります。
また、生きているときの傷や肌荒れ部分が商品に適さず、廃棄(ロス)が生まれます。
当然廃棄部分に関しても商品代に計上することになります。

・水に弱い
雨や雪など水に濡れると、水分を吸収するため色落ちやシミの原因となります。

合皮のメリットとデメリット


メリット

・安価
素材は塩化ビニールやポリウレタンなど合成樹脂がメインで、画一化した工程で大量生産できるため概ね安くなります。

・水や汚れに強い
合成樹脂の表面にコーティングが施されているので、基本的に水を弾き、汚れやシミになりにくいです。

・軽い
そもそもの素材が軽量であるため、本革と比べると大幅に軽くなります。

・手入れが不要
雨などに濡れた場合は軽く拭くだけでOKです。

デメリット

・高級感に欠ける
素材の質感がどうしても本革に比べ安っぽくなります。

・経年劣化(寿命が短い
素材の特性上、劣化症状は避けられず、寿命は3年前後と言われていますが、湿気や保管状況により更に早まる可能性があります。
撥水性は高いものの、ポリウレタンが加水分解するため、濡れたままにしておくと劣化しやすくなります。

・柔軟性と通気性が悪い
合成樹脂を塗ってコーティングを施しているため、折り曲げたり伸ばしたり出来ず、また通気性が低く蒸れやすくなります。

・熱に弱い
直射日光や車内、炎天下などの状況では、溶け出して変形したりひび割れの可能性があります。

まとめ


近年は加工技術の向上によって、本革との区別がつきにくい合皮もありますが、やはり本革の醍醐味であるエイジングも捨てがたいですね。

価格が高く手入れが必要な本革も、しっかりケアすることで長持ちするので、コスパが良いという考え方もできます。

本革と合皮の違いとメリット・デメリットなどを解説

合皮に関しては安価な分、シーズンごとファッションに合わせたり、劣化しても気軽に買い換えが可能です。

本革、合皮、どちらも一長一短ありますが、ご自身の予算、用途により条件があったものや趣味趣向にあったものを購入してみてください。